2026年02月20日
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【1】激変する環境を勝ち抜く「経営力」とは?2025年版 中小企業白書のポイント
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2025年版の「中小企業白書・小規模企業白書」の概要が公開されました。
今、多くの中小企業が円安、物価高、そして30年ぶりの「金利のある世界」という歴史的転換点に立たされています。
本年度の白書が示す、これからの経営に不可欠な「成長と持続」の指針を凝縮してお届けします。
現在、多くの中小企業が「業績改善なき賃上げ」を余儀なくされています。
労働分配率は8割近くに達しており、さらなる賃上げ余力は極めて厳しい状況です。
深刻な人手不足、特に現場を支える「現業職」の不足が顕著です。
倒産や休廃業も増加傾向にあり、従来のやり方では現状維持すら困難な時代に突入しています。ITやAIの活用による省力化が求められているといえるでしょう。
白書では、課題を乗り越えるための「経営力」を3つの側面から分析しています。
【個人特性】 他の経営者との交流や学び直し(リスキリング)を行う経営者の高い成長意欲。
【戦略策定】 長期的な経営計画に基づき、差別化や適切な価格転嫁を行う戦略。
【組織人材】 経営理念を共有し、情報の透明性を高め、従業員を大切にする人材経営。
企業の規模に応じた「壁」の克服が求められています。
中小企業のスケールアップ: 売上100億円以上を目指す段階では、一人経営体制を脱却し、権限委譲やDX人材、経営人材の確保が鍵となります。
小規模事業者の持続的発展: 「尖った」商品による差別化と、経営計画の振り返りによる「経営の自走化」が重要です。
もはやコストカットだけでは限界です。
積極的な設備投資やDXによる労働生産性の向上。
自社の強みを活かした適切な価格設定と、誠実な交渉による価格転嫁の実現。
これらにより営業利益を向上させ、賃上げと人材獲得の好循環を作ることが正念場です。
中小企業は地域の文化や課題解決の担い手でもあります。
脱炭素化、GX、人権尊重といった新しい共通価値への対応は、取引先や働き手から「選ばれる企業」になるための重要な投資となります。
白書では、地域の課題解決をビジネスで担う「ローカル・ゼブラ企業」への期待も示されています。自社の現状を把握し、一歩先の「経営力」を磨くためのヒントとして、ぜひ本白書をご活用ください。
【2】『広岡浅子に学ぶ「九転十起」の経営』から学ぶ
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『広岡浅子に学ぶ「九転十起」の経営』を読みました。数年前に放送されたNHK朝ドラ「あさが来た」のモデル、大同生命の創業者のことを描いた本です。
柳井さんの「一勝九敗」みたいなだなと思いつつ読みましたが、率直に編著のせいか面白い部分とそうでも無い部分が偏在しているものの、面白い部分には学びも多い本でした。
ますます不安定で不確実な今日のビジネス環境において、経営者は社会のニーズの変化に敏感に反応し、柔軟に対応していくことが求められている。解決すべき課題が最初から明確であることはまれであり、手探りの中でパッチワークのように仕事をこなしながら、受益者の満足という結果を生み出すということが往々にしてある。浅子の姿勢に学びながら、エフェクチュエーションに基づく意思決定の領域を広げていくべきであろう。
たとえば、リーダーはいたずらに壮大な計画を練り上げるのではなく、まず現在の自分が有する知識や専門性、社会的ネットワークが何であり、目の前の課題とのすり合わせを図りながら手持ちのそれらをどう活用するかというところから出発すべきである(手中の鳥の原則)。
また、収益見通しを立てることが難しいことから、負担し得るコストの範囲内で粘り強く実験的に事業を積み重ねていくという態度が求められる(許容可能な損失の原則)。
そして取引先との連携を強化したり、ビジネスセクター以外にも広く行政やNPO(民間非営利組織)などともパートナーシップの関係を広く構築したりして、課題解決のため各々の強みを生かしていくという発想が大切になる(クレイジーキルトの原則)。
さらに、これまで見捨てられてきた事業であっても、ひと手間かけることであらたな価値を生み出すといった工夫も期待される(レモネードの原則)。
もちろん、事業の継続が図られるよう、困難な状況に陥っても投げ出さず、最後の着地まで臨機応変に対応していくことが起業家には求められる(飛行中のパイロットの原則)。
最終的に、ぶれない経営を行っていく社会理念を根本で有しているか否かも優れた起業家の要件と言える。
山本五十六の有名な言葉で、誰もが一度は聞いたことがあるであろう。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
しかし、この後の言葉がもっと重要であるが、意外に知らない人が多い。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」(山本五十六)
初めの言葉が、OJTで認知スキルをつけるスタンスであり、後の言葉は人財投資のスタンスである。
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【3】12月Facebook振り返り
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・月刊「企業実務」2026年1月号に「2026年度はこんな税制改正項目が検討されています」が掲載されました。 (12/25投稿より)
https://www.kigyoujitsumu.net/ebook/mokuji_202601/
・TKC WEBコラムに「経理必見!最新「交際費等」の取り扱い」が掲載されました。
(12/25投稿より)
https://www.tkc.jp/…/webcolumn/group_tax/column202411_3/
・本年も一年ありがとうございました。 (12/28投稿より)
為替株式政治など激動の一年でしたが、上昇基調の一年になったのではないかと思います。来年は丙午(ひのえうま)火の性質を二重に持ち、情熱的でパワフルなエネルギーに満ち溢れた年といわれています。
来年もよろしくお願いいたします。