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2023年11月06日

2023年11月号その1 「読書日記「変化する歴史から一貫して変わらない「本質」を見極める」」「倒産防止共済・小規模企業共済・401Kの加入はお済ですか?」

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【1】読書日記「変化する歴史から一貫して変わらない「本質」を見極める」

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先日、楠木建・杉浦泰著「逆・タイムマシン経営論」を読みました。

ブックカバーに書いてある 「近過去の歴史に学ぶ経営知」

変化する歴史を振り返ると、一貫して変わらない「本質」が浮かび上がる。

本質を見極め、戦略思考と経営センスに磨きをかける「古くて新しい方法論」

とのとおりの本でした。

近未来ではなく近過去から学ぶことで初めて見える視点知見がある

バズワードにバイアスがかかり罠にはまっていく「飛び道具トラップ」AIやチャットgptもそうかもしれませんが、これからは○○の時代だという言葉に大きく反応しがちです。

本書では「キャッシュレス」へのサイゼリアの対応が掲載されています。

コロナでキャッシュレス決済はどんどん増えています。今こそキャッシュレスといった勢いそのままにどんどん増えています。私も一週間で現金何回使ったかな?といったレベルです。 そんな中サイゼリアはキャッシュレスに一歩引いた対応をしています。

手数料負担の関係ですか→いいえ3%の手数料を払っても5%売上増えればいい

→客数が増えることが重要→キャッシュレスを使っているのは男性客が多い→サイゼリアにとってキャッシュレス導入メリットはさほど大きくない→さらにまだまだキャッシュレスの種類も増え、ハードウエアの開発も日々進化→サイゼリアは ハードの開発が落ち付き値段が下がってからでいいと判断

「キャッシュレスの本質を見極め、自社の文脈にきっちり位置づけ意思決定をする」

 

2つ目は今こそ激動期のような言葉に過剰に反応する「激動期トラップ」コロナで働き方は一変する!のようなワードに過剰に反応しがちです。コロナが終息した今テレワークから、徐々にリアルに回帰する企業も増えています。旅行や飲食店などコロナ前以上に繁盛している店も多くあります。 もちろんテレワークは完全にはなくなることはないとは思いますが人間は結局リアルな結びつきが必要な生き物なのでしょう。

本書ではこの20年間で画期的なアイディアとしてバズったものの忘れ去られたものとして「セグウェイ」「3Dプリンター」「ランドロイド(洗濯物折り畳み機)」「グーグルグラス」が挙げられています。確かに大騒ぎした記憶があります(笑)

マスコミは激動のようなタイトル出ないと売れないので大騒ぎするという性質ですので仕方ないのかもしれません。今こそ平常期 平和に暮らそう では視聴率上がりませんので。。。

 

近いものほど問題点が見える「遠近歪曲トラップ」 日本は衰退する一方、シリコンバレーはすごい 昔の日本はよかった など。

1970年代欧米では「JAPAN as No.1」日本的経営はすごいといわれていたそうです。その時「日本は日本的経営の強みである終身雇用が揺らいでいる」「ソニー神話の崩壊」「日本の自動車メーカーは対応が遅れ構造不況業種へ転落しつつある」「P&G日本上陸で日本メーカーは倒産へ」といった論調だったと、今もトヨタ花王ソニーといった会社は高収益企業として存在し続けています。

もう一つは人口問題です。2002年の日経ビジネスは「新・成長の限界 人口減少―縮む時代に備えよ」という特集で「人口減少=諸悪の根源」としています。2015年の日経ビジネスは「40年前に見えていた少子化楽観が招いた日本の危機」として少子化対策に取り組まなかったのが問題だという論調です。本書ではまず明治時代にさかのぼり、人口増加による食糧難が問題になり移民政策がとられます。さらに大正時代は産児制限と進み 1974年の日経ビジネスでは「成長都市を発見する、大都市は頭打ち、地方都市で人口開発」と大都市では人口増加に対応しきれないので地方都市の開発が必要となっており、人口増加は大問題とされていました。今とは完全真逆です。

それが1990年人口の減少が始まると一転「人口減少=諸悪の根源」と大転換するのです。

つまり、結局はとらえ方の問題、ピンチとチャンスは表裏一体、人手不足であれば人手不足を解決する新たなアイディア・テクノロジーが出現する。移民を受け入れ次と出不足を解消するのではなく新たなAIテクノロジーを生み出し生産性を上げる。

「マクロ=環境のせいにしない」「他責思考にしない」

「昔はよかった?」高度成長期のパワハラ・満員電車、光化学スモッグのほうがよかった?戦国時代だったら仕事で失敗したら切腹だったよ?

いつの時代もいい面も悪い面もある、ピンチとチャンスは両方存在する。

アイリスオーヤマの大山社長は「ピンチ“が”チャンス」 危機のたびに新たな変化を作ってきた、危機の時に素早くチェンジと実行ができる組織をどうくくるかがポイント

結局ノイズや煽りに惑わさず 本質を考え ピンチに素早く 王道の道で対応し チャンス・成長のきっかけへと結びつける そんな考え方・とらえ方をできる思考が重要なのでしょう。

 

「われわれが歴史から学ぶべきは いかに人々が歴史から学ばないかということだ」(ウオーレン・バフェット)

 

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【2】倒産防止共済・小規模企業共済・401Kの加入はお済ですか?

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年末も近くなり、業績を見極め倒産防止共済や小規模企業共済の年払い や将来の貯蓄としての401K を検討する時期になりました。

そもそも倒産防止共済・小規模企業共済・401Kって何?をお伝えします

★中小企業倒産防止共済制度

取引先の倒産等により売掛金債権が回収困難となった場合に同機構から貸付を受けて連鎖倒産を防止するための積立制度です。資本金又は従業員数が一定以下の企業が加入できます。

メリット:・掛金は全額経費計上OK(年払で支払った場合支払い期の経費算入可)

・一時貸付制度利用で可能。 ・取引先倒産時に即時借入 ・解約しても掛金が戻る

契約を解約した場合、解約理由が何であっても掛金を12カ月以上払っていれば、納付額の8割以上、40カ月以上納めていれば掛金は全額戻る

デメリット:納付期間が40ヵ月以下は元本割れ(40か月以上たつと満額戻るので貯金のようなもの)

・解約返戻金を受け取ったら全額が利益で課税される。(支払時点で経費になっている)

 

 

★小規模企業共済

個人事業主または会社等の役員の方が事業をやめたり、退職した場合に備えて、あらかじめ資金を準備しておく共済制度。個人事業主及びその共同経営者または、会社等の役員が加入できます。(従業員数に制限あり)

メリット:掛金は全額所得控除!受取時退職所得または雑所得⇒税負担軽い

納付済掛金の額の90%程度の範囲で金利1.5%または0.9%で貸付を受けることが可能。

・デメリット・・・加入期間20年未満等の任意解約で元本割れ(役員退任等の場合12か月以上で元本割れはせず)

 

 

★確定拠出年金(401K・IDECOの法人版)

自助努力で資金を積み立てて運用し、資産を形成していく年金制度。

メリット 積み立てる掛金が非課税(所得控除・社会保険も非報酬扱い)・運用益非課税 資産形成の自由度が高い・転職・離職時に資産を持ち運べる

デメリット:資産運用のリスクを負う 従業員への教育が必要

・60歳まで引き出すことができない

 

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【3】9月Facebook振り返り

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◆日本のプロフェッショナル|TACNEWS WEB11月にアップされました

「AI時代で生き残るには?コンサルティング・事業承継特化で成功した税理士に聞く」

中堅企業の事業承継、コンサルティングにフォーカス。

好きな仕事だから、一生懸命やれるし成長し続けられる。

・「フェラーリに乗れる」を信じて税理士を志す

・大学2年から22年間同じ会計事務所に在籍

・「40歳にして立つ」

・事業承継とコンサルティングの二本柱で独立

・マーケティングを意識した打ち出し方

・リファラル採用と学生インターンの活用

・「心」や「考え方」を伝え、育てる

・失敗を恐れずにいろいろなことに挑戦してほしい

 

◆節税と無駄遣いは大違い

今週発行の当社メルマガでも書かせていただいてますが

重要なのは将来キャッシュフローの最大化ですので

利益が出たら まず将来への投資(人的・設備)をする

投資なければ広告や備品の前倒し購入

次は倒産防止共済等での繰り延べ

節税は所得拡大とか設備投資・試験研究費等ですが節税の場合の経費はほとんどの場合無駄遣いで

法人税はMAX30% 使わなければ70%は残ります